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vol.92 岩尾 憲 #8
『攻撃、守備両方で存在感を発揮できるボランチでありたい』

チームが目指すサッカーに近づいている実感

ボランチとして開幕戦から3試合にフル出場し、正確なパスやボール奪取、攻守の切り替えの速さなど、持ち味を発揮した岩尾選手。だが、アウェイでの開幕戦で勝利できずに、強い気持ちを持って臨んだ第2節ロアッソ熊本戦終了後は、他の選手以上に敗戦に強く悔しさをにじませた。
「結果だけを求めればリスクを気にせずに蹴ることもできますし、内容だけを求めれば結果はついてきません。2試合を通じてボールを握って自分たちで動かし、アタックできている手応えがありますし、シュートも熊本戦では10本打っています。内容だけ見れば、個人としてもチームとしても決して悪くない。結果が出ていないことだけが唯一よくないことで、だからこそ結果、内容の両方を求めることの難しさを痛感していますし、それをどうやって可能にしていくべきかが課題です」

キャンプ中から長島監督が目指すサッカーは一貫しており、個人としてもチームとしても、求められているサッカーに近づいている実感はあると語る。
「監督がよく言うようにチームは生き物だと思います。それだけにキャンプから長さん(長島監督)が “このサッカーを続けていこう”ということを力強く、ブレずに言い続けてくれていることは、選手にとって非常に大きいことです。
常に勝つためにやっているんだということやアグレッシブにボールを奪いに行くことなど、サッカーの根底にあるものに訴え続けてくれているだけに、選手として結果を出さなければいけないという思いはいっそう強まっていますね。1つ言えるのは、今、何よりもプレーが楽しいですし、自分以外にもサッカーをやっていること自体が楽しいと言っている選手もいます。それはとても大事なことで、チームがポジティブな方向に進んでいることは間違いないです」

今、何よりもサッカーが楽しい

自分を成長させるために
ヴォルティスを選んだ

2011シーズンに湘南ベルマーレに加入。チームがJ1に昇格した2013シーズンは7試合に出場した。
 そして再びJ2のカテゴリーに属することとなった2014シーズンは23試合に出場し、チームもリーグ優勝を果たす。だが、J1に昇格した2015シーズンはJ2の水戸ホーリーホックに期限付き移籍することを選択する。
「2014シーズンは23試合に出場しましたが、ケガをしたスタメンの選手の代わりが多く、完全なレギュラーとは言えない立場でした。J1のチームにいても試合に出られなければ意味がないと思っていましたし、年齢的にもシーズンを通して戦うという経験をしておかなければいけないと思ったんです。それでチームと話し合って移籍を決めました」

水戸ホーリーホックでは41試合に出場し、プロ初得点も決めている。
「かなり気合いを入れて移籍したのですが、連戦やアウェイで戦う難しさなど、シーズンを通して戦う難しさを初めて知りました。特に5月の連戦ではパフォーマンスが悪くなった時期があったと思うのですが、使い続けてもらったことで、続けて出場しなければ分からなかったことに気づけたことが一番の収穫です」

そして今シーズン、J1をはじめ複数のチームからオファーがあった中で、ヴォルティスへの完全移籍を選択した。
「選択の基準は、自分をもう1つ、2つ上へと成長させるためにはどのチームがいいかということでした。一番手で使うと言ってくださったチームもあったのですが、それが本当に自分の成長につながるのか、そこに胡坐をかいてしまうのではないかと考えました。ヴォルティスに決めた一番の理由は選手の個のレベルの高さです。特に昨シーズン、レギュラーとして活躍した濱田選手や木村選手、加入が発表されていたカルリーニョス選手など、自分が中盤で組むことになるであろう選手のクオリティが高く、その選手たちと切磋琢磨することが最も自分の成長につながるのではないかと。そうした選手の中に入っていくということでレギュラーになれない不安もありましたが、試合よりも練習している時間の方が長いので、あえて苦しい方、より難しい方を選んだ方が成長できると思ったんです」

昇格のためには
もっと気迫があってもいい

湘南ベルマーレで1シーズンでの昇格を経験している岩尾選手だが、その経験からJ1昇格のために何が大切だと考えているのだろうか。
「あのシーズン(2014年)、選手たちの何が違ったかと言えば、とにかく勝ちに貪欲でした。監督からも“相手チームに湘南とはやりたくないと思わせるプレーをしよう”と言われていましたし、ピッチに落ちている勝利に対する執着心や球際の強さ、試合に臨む気迫がすごかったです。第2節ロアッソ熊本戦のハーフタイムでも、長さん(長島監督)が“球際に負けないで粘り強く戦おう。相手のブロックを怖がらずに前を向こう”と言ってくれましたが、大げさに言えば相手に体をぶつけてファールをもらうぐらいの気迫があってもいいのかなと思います」

チームは3月13日、ホームでの2戦目となる山形戦に勝利を期して強い思いで臨んだが、前半で0-2とリードを許す展開となった。しかし、この逆境から後半に立て直して、惜しくも逆転とはならなかったが、2-2に追いつき今後の戦いへの希望を見せた。
「追いついたのは良かったですが、結果に満足はしていないですし、状況を変えられるのは結局ピッチで戦っている選手でしかなく、11人いる選手個人でしかないと思います。前半が終わった時に、多くのお客さんがいる中でプレーしていることを、プロである以上は自覚しなければいけないと自分を含めて、みんなが思ったと思います。前半も一生懸命やってはいたと思いますが、結果が0-2という状況から、後半はもう1回自分たちのやるべきことや、自分のやるべきことをしっかりやろうと、気持ちを切り替えて臨むことができたので、それが良い方向に行ったのは良かったと思います。あと1点が取れないというところを課題として、続けて取り組んでいきます」

昇格を目指し、今後、岩尾選手自身は、どんなプレーを見せていきたいと考えているのだろうか。
「どれか1つのプレーということは考えていなくて、やはり自分のポジションは全部できなければいけないと思っています。今の時代、ボランチは攻撃も守備もできなければダメなのではないかと。ボールを持ったら攻撃のスイッチが入れられて常にボールに関われる選手、守備では体を張り、球際で負けない、どちらでも存在感を発揮できる選手でありたいですね。あいつの存在感は怖いなと思われるぐらいになりたいです」

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