徳島ヴォルティス

REPORT

COMMENT

監督
増田 功作

前節ホームで負けた中、今日はホームで勝てたこと、本当に選手たちがしっかりと勝つ意欲や意思を強く持って試合に臨めました。毎日のトレーニングから集団として少しの隙も見せないようなトレーニングをしようと、今日の試合に至るまでの準備をしっかりしてくれました。

前半に関しては、自分たちの狙いであるいい守備からいい攻撃での得点がありました。山口さんは中盤で、セカンドボールを含めて前への推進力があるチームなので、受けずに中盤で圧縮してスペースを埋めながら奪って出ていくというプレーが2点目につながったんじゃないかと思います。

(1点目は)中盤でブロックを引いて中を締めて、(杉本)太郎がいい形でボールを奪ってルーカス(バルセロス)につないで、相手のサイドの選手が高い位置を取る事はわかっていたので、そのスペースを上手く使いながら、ルーカスを(高木)友也が追い越して人数をかけてゴールを奪うことができました。

2点目に関しても、相手がビルドアップで前進しようとした中のセカンドボールを鹿沼が拾って前へ出て、(杉本)太郎が運んでスルーパス、それをルーカスが決めてくれました。前線の選手が守備から攻撃、セカンドボールを拾って前へ行く推進力を出せたんじゃないかと思います。ただそれは後ろの選手がビルドアップ時にしっかりとした立ち位置を取る事と、ボールを失ってから自分たちがプレッシャーをかけられるような仕組みも含めて選手たちが体現してくれたからだと思います。

前節負けて今日は難しい試合になる中、選手たちが本当に強度を高く自分たちのサッカーを体現してくれました。次の四国ダービーに向けてもいい準備ができるんじゃないかと思います。

またこの5連戦の中で、競争でポジションを勝ち取りながら多くの選手が試合に出て、今日も途中から出た選手たちがパワープレーヤーとしてしっかりとプレーしてくれました。しかしチームとしてはまだまだ成長しなくてはいけないので、今後に向けてさらに努力していきたいと思います。

Q 試合前に『トランジションが勝負を分ける』という話をされていましたが、実際にそこから2点決まりました。大きな役割をした杉本選手の評価と途中交代の状況について教えてください。

まず、太郎に関しては、ルーカスと(渡)大生はFWタイプの選手なので、彼らのポジションをより前に置いておきたかったと。その中で彼の役割としては鹿沼と(児玉)駿斗を助ける役目、もう一つはルーカスと大生を助ける役目がありました。彼が中盤で担う役割は本当に大きくて、ボール保持している時と非保持の時の立ち振る舞いには素晴らしいものがありました。甲府戦でも点を取った攻撃面のクオリティもありますが、守備での献身性も含めて、あのポジションで高いパフォーマンスを出してくれています。
(状況について)まだメディカルと話ができていませんが、前節傷んだ場所があって、その部分を痛めてしまったようです。本人にも確認し、無理をする必要はないという事で交代させました。それほど大きな問題ではないと思っています。

Q 相手がシステム変更する中での後半の試合運びについて。

ます相手が3枚気味になっていたのですぐに選手たちへ伝えました。片方の相手選手が上がったり左の亀川選手が中に入ったりと変化させていましたが、自分たちと同じシステムであれば管理できると思いました。ただ自分たちのニアゾーンを取られてしまったのは、ボールへプレッシャーがかかっていない中で青木と山越が落ちたFWに対して先にポジションを取ってしまい(山田)奈央とのギャップができて、そこにもう1枚のFWに走られて起点になられたり背後を取られたりしたからです。試合が終わった後に2人と話をしましたが、ボールホルダーの状況と相手の立ち位置を見ながら冷静に判断する事と、もしボールホルダーにプレッシャーがかかっていないのであれば、相手にプレッシャーをかけるために誰を前に出すのかという練習でやっていることを確認しました。途中からはみんなが体現してくれてしっかりと無失点で終えられた結果が全てなんじゃないかと思います。

Q 四国ダービーに向けて。

僕もダービーは去年経験していますが、ファン・サポーターの皆さんの熱量をさらに感じるダービーでは絶対に負けたくないです。難しい試合になると思いますが、ホームゲームと同じく勝ち切りたいですし、愛媛戦に向けてしっかり準備したいと思います。

Q 先制点を取った高木選手に役割と評価について。

山口の右SBの選手が高い位置を取ってくるので、そこをしっかり監視する事と、その開けたスペースにボランチやサイドハーフがビルドアップに参加する時もあるので、下がるだけじゃなくて監視しながら前に出るところは、(左CBの)青木と(田中)颯でやってくれたんじゃないかと思います。そういったことができるのも(杉本)太郎が牽制したり締めるところを締めるチーム全体のオーガナイズがあって初めてできます。(高木)友也も素晴らしかったですが、それができるのも前線での限定と後ろの押し上げがあるからですし、攻撃に関して彼は推進力があるので、それが今日出て得点につながったことは良かったと思います。

Q 高木選手は今季移籍してきて、本人も『数字が残せていない』という事で居残り練習にも取り組んできました。

セットプレーのキッカーにもトライしてくれて、全体練習後も阿部コーチとキックやクロスのトレーニングをしたり、森戸コーチとセットプレーのトレーニングをしていて、みんながいい仕事をしてくれているのだと思います。一番大事なのは選手たちが目的を持ってトレーニングをすることなので、ただ単にボールを蹴るのではなくて、何のためにトレーニングをするのかを考えながらコーチ陣と一緒に練習していることが今日の結果につながって良かったです。

DF 42
高木 友也

Q ポジティブな面が多く見られたナイスゲームだったと思います。ゲーム全体を振り返って感想を聞かせてください。

そうですね。前半は本当に自分たちにやりたいことができたなと思います。うまくスライドしていく、4-4でスライドする相手に速いボール回しをしながら、相手のサイドバックが食いついた時にその背後を使って前進できたという印象です。

Q 山口がプレスに来るということを予想した中での準備があったと思います。注意した点はどこでしたか?

ビルドアップを引っかけた時のカウンターが山口の強みだと思っていましたし、でも逆に奪った後に仕掛けるカウンターが相手の弱点というのも分かっていたので、そこの奪い切るところ、球際の部分というのにはみんなこだわっていたと思います。

Q まさにその切り替えのところで 高木選手の得点も生まれたと言えますね。

そうですね。まず奪い切ったところからカウンターを仕掛けて、自分はルーカス(バルセロス)の外側を見たら誰もいなかったので、そのスペースに走りました。中を見ると(渡)大生くんがフリーでしたが、キーパーが自分のその目の動き反応して大生くんの方に寄ったので、ニアサイドを狙い振り抜きました。

Q 3人目や後ろからどんどん人が沸き上がってくる攻撃が今日もたくさん見えました。その攻撃面についてはどのように感じていますか?

今日は3人目の動きだったり、近場だけじゃなく遠いところが見えていたことが多かったのでうまく相手のプレッシャーをいなせたのかなと思います。

Q 次節は四国ダービーを迎えます。

徳島の選手としてやる以上、四国ではやはり一位を取らなきゃいけないという部分で、そこにプライドをかけて戦っていきたいと思います。

FW 99
ルーカス バルセロス

Q 得点場面を振り返ってください。

練習でずっとやってきている通りでした。背後を狙ったところから、パスを受け運んでゴールに向かいます。そしてシュートを打つと見せかけて、カットインからのフィニッシュ。そのイメージ通りでした。
(杉本)太郎がボールを受ける前から私へパスを出してくれそうな気がして、走りながら「タロウ、タロウ、タロウ」と叫んでいました。するとその通り良いパスを出してくれたので感謝しています。

Q 得点シーン以外にも良い形が何度もありました。

もっと得点できる場面もありましたが特徴を出せましたし、チーム全体が素晴らしい試合をしたと思います。

Q 高木選手が先制点を挙げた場面は、自分でシュートを打つ選択肢もあったのではないですか?

完全にフリーで(高木)ユウヤが走ってくるのが見えたので、シュートの打てる優しいパスを出しました。

Q 次は愛媛との四国ダービーです。意気込みを聞かせてください。

順位に関係なく、とにかく勝ちにいきます。勝点3は我々のものです。

Q ご自身はイエローカードが3枚溜まっていたので、今日はもらわないようにと心配していましたよ。

注意しながらプレーしました。もらわなくてよかったです。

MF 28
鹿沼 直生

前半は狙い取りの形というか、セカンドボールのところが勝負になるということで、いい形が作れて結果的に2点取れました。ただ90分通してと考えると、後半はもう少しゲームをコントロールする時間が必要だったと思います。もし1点取られていたら危ないゲームになった可能性もあったので、そこはしっかり状況を見ながらコントロールする力を付けたいです。この先もっと上位で行くためにはそういうところが大事になってくるのかなと思います
2点ビハインドで人数をかけて来る相手には押し込まれると思いますが、その中でもう少し自分たちでコントロールできる時間があったら、もう少し楽なゲームを後半できたのかなと思う部分はあるので、そこはまだまだ課題だという印象です。

Q 山口は前からプレッシャーをかける傾向のあるチームでした。組立の中で注意していたことはありますか?

チームとしてスペースを見つけるのはどの試合でもやっていて、前半は僕と(児玉)駿斗のところに相手1枚が来たらどちらかが空いているイメージでした。ただそこにボールをつけるのは多少リスクある中で、相手のアンカーっぽい形、ボランチが縦関係でプレスに来たので、空いている脇の部分を上手く使えたと思います。そうやって相手を見ながら空いているところを見つけるのはこの先も大事になってくると思いますし、相手がもっと圧力をかけてきた後半でもピッチに立っている選手たちが空いているところを見つけるということがもっとできれば、自分たちの時間が多く作れたのかなと思います。
ただ2-0、結果的にゼロに抑えて勝っているので、そういうポジティブというか、勝って修正できるのはやっぱりいいのかなと思います。

Q 攻撃面では今日も追い越す動きをはじめ、コンビネーションという部分がすごく見られた気がします。試合を重ねるにつれてチームの形が作り上げられているように感じます。

そうですね。やっぱり水戸戦は0-1でそのまま試合が終わってしまった中、ピッチだったりピッチ外でも練習の時とか選手間で話をしたり、スタッフも含めて改善するための努力をしています。外回しだけじゃなくて危ないところにボールを刺してそこに絡んでいくのは重要だと思うので、僕も意識的に縦パスを刺しましたが、もっと増やせたらいいなと思いますし、そうすることで相手にとって怖い攻撃が増えてくると思います。みんながそのようなことを意識した結果、3人目の動きとかになってきているのかなと思います。

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