ホームゲームで大勢の方に来ていただき勝利を届けられて非常にうれしく思っています。
前節は3-3というスコア、初めて複数失点をして、今週のトレーニングの中でも選手たちのどこか自信の無さや不安さが垣間見えましたが、そこをしっかり引き締めてやろうと話をしながら準備しました。苦しかったですが、チーム全員がひとつになって勝ち取った試合だと思っています。
今怪我で苦しんでいる岩尾憲、戻ってきた永木亮太、今日サブに入った長谷川徹、そして渡大生を含めて、うちには経験のあるベテラン選手がいて、憲は今本当に悔しい思いをしている中でもチームを支えてくれていて、そういった経験のある選手たちが陰でアドバイスをしてくれたりチームの雰囲気を活性化してくれたことで今日の勝利があったと思います。

前半に関しては、大分さんの出足が非常に早くて我々の出足が遅かったです。その理由は前線のプレッシャーに行くタイミングと最終ラインの押し上げのところでなかなかラインが上がりきらなくてコンパクトな陣形が作れず、中盤で間延びしてセカンドボールが拾えず、圧のかからない状態で出足の速い相手に拾われ深い位置まで押し込まれました。

自分たちの攻撃に関しては、相手がマンツーマンにしていた事は想定内でしたが、立ち位置を取るのが遅くふわっとしたところからミスが出て押し込まれる場面が非常に多かったです。ただ、その中でも本当に体を張って声を掛け合って（田中）颯を中心に守って、ルーカスが個の力で1発仕留めてくれて、本当に自分たちの流れには持ってこられなかったですけど、相手に怖さを与えられたことは良かったと思います。ルーカスが点を取りましたが、チーム全体で取った点じゃないかと思います。

後半の入りからメンバーを変えましたが、ラインの押し上げとコンパクトさ、あとはタイミング、自分たちの意図を持った攻撃での立ち位置を含めて、選手たちが前向きに遂行してくれて2点目が取れたのは非常に大きかったんじゃないかと思います。

ここ2試合途中交代した山田奈央に関しては、まだまだ若く発展途上の選手です。これをしっかり糧にして次に向けて準備して欲しいですしその能力があると思います。後半戦はこういった苦しい試合が増えていく中、今日はクリーンシートで勝点3が取れたことはチームにとって大きく非常に良かったと思います。

Q 前半は攻守において難しい時間が続きましたが、ハーフタイムではどのような修正を加えましたか？

準備してきた守備面のオーガナイズやビルドアップに関しては、前半はほぼ全て中途半端でした。ラインの押し上げでも前線がプレスに行っているのにラインが上がらず中盤との距離が広がってしまって、相手の楔やロングボールのセカンドをなかなか中盤で拾えなかったのでそこを修正しました。あとはビルドアップに関してもマイボールになったらしっかり立ち位置を取って前進していくし、相手がプレッシャーをかけに来るのであれば、意図を持って背後を狙っていく事を伝えました。

Q 警戒していたセットプレーを多くとられた一方で、そこで踏ん張れて失点しなかった事についてはどう感じていますか？

球際や、相手に寄せる一人ひとりの距離が広がってしまい、相手にドリブルやパスをする時間を自由与えてしまった結果、ギリギリのところでクリアする場面が多くなったので、タッチラインを割る場面も多くセットプレーが多くなったと思います。ただ、あれだけセットプレーがあった中で颯を中心に声を掛け合っていました。修正も選手同士であったり、ベンチの指示も聞きながら行えていて、メンバー交代を含めてその時その時でのオーガナイズを遂行してくれた事が無失点につながったと思います。

Q 次節は現在首位の水戸との対戦です。

リーグ後半戦、対戦相手はいろんな対策をしてくると思いますが、自分たちが積極的にアグレッシブに自分たちのプレーを出せるような準備をまずはしていきたいです。

Q ゴールの形が綺麗でしたが、狙ってトレーニングをしてきた形だったのでしょうか？

裏のスペースがあるのであれば（狙っていく事は）しっかりトレーニングでやっていて、相手の状況もありますが、しっかり出してくれたんじゃないかと思います。

Q 先制点のシーンでは相手が強く来ている中でも鹿沼選手がいいターンをして縦パスを入れたところから始まりました。監督はどう見ていましたか？

今日は中盤の選手がロックされていたので、トランジションや切り替えの時くらいしかいい形で前を向けませんでしたが、ああやって前を向いた時にはまずは前線のスペースを狙っていこうと練習でしていました。（鹿沼が）ターンできていいボールが出て、ルーカスが少ないチャンスの中で決め切った事は彼ら2人のクオリティです。ただ今日はチームとして苦しい1週間だったので、逆にチーム全体で取ったと思っています。

Q 前半終了間際にプレーが止まった時、声を張って指示を出していましたが、どんな事を伝えていましたか？

横浜FC時代にプレーオフで2回負けていますし、昇格はしていますが、リーグ後半戦で1歩寄せない事で失点したり1本のクロスから失点して勝点を失ったり、後半戦は一瞬の隙を見せることで最後の最後は自分たちに返ってくると思っています。そういった事を僕も経験しているので、あそこのふわっとした時間帯とか休む時間も含めてもっとアラートに集中力を持って欲しくて声掛けをしました。

入り方は少し悪かったのですが、流れの中で修正もできて良い試合ができました。得点は僕が決めましたが、みんながハードワークしてくれたおかげですし、チーム全員の得点です。

Q 先制点はエウシーニョ選手のオーバーラップが相手を引き付けてシュートチャンスが作れたと思います。

もちろんエウソン（エウシーニョ選手）のおかげでもあります。相手は2人がかりで来たのでシュートコースがありませんでしたが、エウソンのおかげで相手が動きコースが生まれました。

Q 前半1本しかなかったシュートが決まりました。凄い決定力です。

入りが悪く数少ないチャンスでしたが、チャンスをものにするのも仕事のひとつなので、決めることができてよかったです。

Q 児玉選手のパスは2つともどうでしたか?

最高ですよ。練習の時から駿斗とは「お互いを見ようね」と話しをしています。その成果を結果として試合で残せたのは自信になります。

ルーカス（バルセロス選手）の特徴がそのまま出た得点でした。

Q 先制点は渡選手の落としから走りだしもよく見えましたか？

はい。一度全体を見たのですが、一番ゴールに近いのはあそこなので、あそこに優しいパスを出せば自分で行ってくれるなと思いました。
2点目はイメージ通りというか、あそこに落とせば間に合うだろうという予測で出しました。

Q 形は似ているけど、内容の違うアシストだったのですね。

2点目の方が難しいパスだと思いますが、あれはやっとさん（元G大阪/遠藤選手）が代表であのようなアシストをしていたので、イメージは似てるなと思いながら出しました。

Q 渡選手のところに入ったらいいボールを落としてくれる、それが武器になってきている、そんな感じがしています。

ツータッチで優しく思いやりのあるパスをくれます。それは味方の気持ちも分かっているパスです。まあ人柄もそうですけど、よく周りを見ているのでいつもいいパスを出してくれます。

Q 先制できたことで、押されていた中でもいい雰囲気に持ってこれたと思います。

相手に持たれる時間は絶対にあるのでそこは我慢しながら、あのような一発で点を取れるチャンスがあるので、耐える時間も必要ですし、それが無いに越したことはないけど、相手が強くなれば強くなるほどあのような時間は絶対にあるから、引き続き取り組んでいきたいです。

Q 今日のゲームを振り返っていかがでしょうか。

ツートップで得点したこととクリーンシートで終われたことは良かったと思います。

Q 前節3失点して、監督の目には今週のトレーニングで選手たちに少し不安の色が見えたようです。選手の皆さんはどうでしたか？

みんながどうだか分からないですけど、僕個人としては先週の3失点という結果を受けて、しっかり噛み砕いてその意味を理解して今日はプレーしましたし、もう一度サッカーにどう向き合うかというところと、ピッチで肝になる瞬間というのをもう一回勉強してピッチに立ちました。前半のコーナーキックで、あそこに相手に触られてリアクションしたことは、自分にとって一番いいアクションだったと思う、あのような現象をちゃんと正しいタイミングで見つけて試合を進めていくことはキーパーとして大事だと思っています。

Q いいセーブが多くありました。集中力も高かったのではないですか？

そうですね。次の水戸戦ではあのようなシーンが多くあると思うので、僕が自陣の一番近くで違いを見せられるように、成長した姿を見せたいと思います。

Q こういう試合を立ち切れたということは、今後の後半戦でも大事になりますね。

もう一度一からやり直すつもりで今日はピッチに立ちましたし、週明けの練習からそうでしたけど、千葉戦にはそれぐらい大きな意味がありました。今回たまたまゼロで終われましたけど、まだ後半戦は長いので、正しいイメージを取り戻して戦っていきます。

Q 田中選手が活躍、悪い意味での活躍をしないといけない場面が増えていました。組織的にこれまで活躍しなくてもいい守り方ができていましたが、どこが違っていますか？

確実にほころびが出ていると感じていて、試合の中では声も通りませんし、間に合わないシーンはあるので、そこを千葉戦が終わった後の週明けから意識していました。ただしすぐには良くならないですし、すぐに悪くなることもないので、ちゃんと長い目で見て積み上げていくことが大事だと思っています。

Q 先ほど向き合い方を変えたりという話がありましたが、もう少し具体的にぜひ教えてもらえませんか。

やっぱりリアクションのこと、秩序とか決まりっていうのははっきりしにくいものです。そうじゃなくて、自分たちがどうあるべきなのかとか、自分たちからどうアクションを起こすかっていうのが、本当に監督の言う通り練習からのものがそのまま出るので、そういうところはもっと要求する必要がありますし、僕が一番いろんなものが見えているので、そこは全部僕が背負って今後もやっていきたいです。