徳島ヴォルティス

美馬市版SIBヴォルティスコンディショニングプログラムの総括に係る中間取りまとめについて

クラブ2024.06.28

徳島ヴォルティスは美馬市と連携し、Jリーグクラブ初となるヘルスケア分野のソーシャルインパクトボンド(SIB)※1 として、2019年度から5年間取り組んできたヴォルティスコンディショニングプログラム※2 の総括を進めているところですが、この度その中間取りまとめを行いましたので公表します。
なお、今後は、株式会社日本政策投資銀行及び株式会社日本経済研究所とも連携して、データ解析やアンケート調査などの詳細調査を実施し、本年度末に総括の報告書を公表する予定です。

※1 民間資金を活用して社会課題解決型の事業を実施し、その成果に応じて地方公共団体が対価を支払うスキーム。(経済産業省資料より)
※2 プログラムの概要は最終ページに記載。なお、プログラム全体を通じて河野一郎筑波大学名誉教授の監修を受けている。

中間取りまとめ

(1) プログラムへの参加状況

参加者数延べ1,279名(実参加者数710名)

(2) 成果指標の達成状況

「成果連動型支払い」の基準としていた2つの成果指標(運動習慣と介護予防)」についてはいずれも5年間のトータルで目標値を上回りました。※3

成果指標対象者目標値達成状況
運動習慣(1日30分以上、週2回以上)のない者のうち 運動習慣を持つようになった者の割合参加者 全員  60%  64.8% ※4
基本チェックリストにおける運動機能の項目5項目中、3項目以上該当する者のうち2項目以下に改善した者の割合    65歳以上 の参加者    70%    84.9% ※5  

※3 成果連動による支払いは単年度の目標に対する達成率を基準としており、5年間のトータルでは目標値を上回ったが、一部の指標で目標値を下回った年度があったため、成果連動分の予算総額3,000千円に対する支払実績は2,892千円であった。
※4 実参加者(710名)中、有効回答者は585名で、このうち、参加時点で運動習慣がなかったのは352名(60.2%)。
※5 65歳以上の参加者(270名)中、有効回答者は202名で、このうち、参加時点で3項目以上該当者は53名(26.2%)。

(3) 成果指標以外の効果測定結果

プログラム参加時とプログラム修了から3週間後にそれぞれアンケート調査を実施した結果、参加者の体調、健康満足度等の変化は次のとおりであり、有意に改善していることが確認されました。(「体調」、「健康満足度」については数値が高いほど改善を示している。)

※6 プログラムの参加を通じた人や社会とのつながり(ソーシャルキャピタル)の変化を確認するための質問項目。

※7 プログラムの参加時と修了から3週間後にそれぞれ実施したアンケート調査における、調査時点以前2週間の体調不良等の有無を確認するための調査項目。

(4) 室伏広治スポーツ庁長官からのコメント

ヴォルティスコンディショニングプログラムの成果に対し、スポーツ庁の室伏広治長官から次のコメントをいただきました。

「美馬市の取組の成果は、コンディショニングが身体機能の改善だけではなく心の健康にも良い影響があることを示すすばらしいものだと思います。
運動・スポーツには、体力の維持・向上、ストレス解消など心身の健康の保持増進に様々な効果が期待できます。こうした効果を高めるためには、スポーツを支える土台としてのコンディショニングや、その方法としての多様な目的を持った運動の実施により、心身に多様な変化を与えることが重要です。
今後、市民のライフパフォーマンスの向上に向け、本取組のさらなる展開を期待しています。」

なお、美馬市におけるヴォルティスコンディショニングプログラムの取組に対し、「スポーツ・健康まちづくり優良自治体表彰2021」においてスポーツ庁長官表彰を受賞したほか、2024年3月にはスポーツ庁の「Sport in Lifeガイドブック」において『取組事例』の一つに紹介されるなど、健康・スポーツ分野における官民連携の優良事例として各方面から高い評価を受けています。

(5) Jリーグ野々村芳和チェアマンからのコメント

Jクラブと地域との連携した取組成果に対し、Jリーグ野々村芳和チェアマンから次のコメントをいただきました。

「徳島ヴォルティスが美馬市をはじめとする協働者の皆さんとともに取り組んできた『美馬市版SIBヴォルティスコンディショニングプログラム(VCPG)』を通じ、1,200名を超える地域の皆さまの健康づくりにJクラブが関われていることを喜ばしく思います。
このプログラムは、Jクラブで初めてヘルスケア分野のソーシャルインパクトボンドであり、多様なステークホルダーと連携して持続可能な活動となるように取り組んでいることが評価され、2020Jリーグシャレン!アウォーズにてパブリック賞を受賞しました。さらに、他クラブでも同様の取り組みがスタートするなど、シャレン!の大きな成果となっております。
これからも地域の皆さまとともに、健康づくりを通した豊かな社会の実現を目指し、更なる発展に繋げていただければと思います。」

美馬市版SIBヴォルティスコンディショニングプログラムの概要

目的

運動機能の改善を通じて運動習慣の定着化を図り、将来的な医療費や介護給付費の適正化につなげることを目的として実施。

対象者

姿勢の悪さや慢性的な痛み(肩痛、腰痛等)を感じる20歳以上の市民1,800名。

期間

2019年度~2023年度の5年間 ※ 2018年度には市職員を対象にプレ事業を実施。

美馬市版SIB(ソーシャルインパクトボンド)の仕組み(イメージ)

プログラムの内容(イメージ)

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